親が年老いてくると、葬儀やお墓をどうするかなどは、意外とサラッと話し合うことができます。
親自身も子供に迷惑をかけたくなからと、葬儀費用の積み立てをされる方も多いものです。
でも、荷物の生前整理となると、これがなかなか難しいようですね。
物を大事に取っておきたい親世代に、使わないものは処分するように言っておいても、なかなか出来ないものです。
どうしたら、親の心を傷つけずに荷物を整理することができるのでしょうか?
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あなたの終活は何歳からする予定ですか?
死ぬ前に準備をするなんて縁起が悪い!!
私の祖母が元気だった20年以上前は、親に葬式やお墓をどうしたいかを聞けば、こんな言葉が返ってきたものです。
でも、この数年、自分の人生の終わりに向けて様々な準備を始める「終活」が一般的になりだし、終活は必要と考える人も増えました。
では、終活が必要と考える人たちは、何歳から始めるのがいいと考えているのでしょうか?
70歳から終活を始めたい。その希望ちょっと遅すぎない?
終活を必要と答えた289名に、「終活は何歳から始めるべきか」と聞いたところ、「70代~」という答えがもっとも多く104名。
「60代~」が84名で続いた。
また、年齢に関わらず「配偶者がいなくなったら」終活を準備している、準備しようとしている人が23名、「定年」を切っ掛けとする人が22名となった。
http://news.mynavi.jp/news/2013/09/26/024/
上記を参考にすると、70歳を過ぎたあたりで終活を始めようと考える人が多いんですね。
では、終活として何をしておくべきなのかを思い浮かべると
- 葬儀やお墓の場所の準備
- エンディングノート
- 財産相続について
このように、お金に関係することを一番に考えるものです。
親は子供にお金の問題で世話をかけたり、迷惑をかけたりしたくない気持ちがあるからこその終活です。
でも、もっと考えないといけないのは、親が持っている荷物の整理なんですよね。
荷物の整理は思ったよりも体力と判断力を必要とされるため、70歳から~とゆっくり考えていると、親子ともに大変な思いをしないといけなくなることがあるのです。
思い出がある。いつかは使う。物を簡単に捨てられない親
私の母親もそうですが、戦後の物のない時代を生きてきた親世代は、どんな小さなものも大切に取っておく人が多いものです。
そして、同じようなものを持っていても購入してしまい、しまい込んでしまう人もいます。
私の先輩は、離れて暮らす80代の父親の遺品整理をしたら
開封されないままの通販で購入した同じようなデザインのズボンやシャツ類
缶詰やティッシュ、トイレットペーパー
雑誌、アルバム、
これらが父親の部屋に山のようにあったそうです。
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一緒に暮らす人にとっては、どんなものも思い出の品
先輩も仕事の都合上、そんなに頻繁に父親の遺品整理のために実家に帰るわけにもいかず、母親に「お父さんの思い出として残したいものだけ選んでおいて」とお願いして帰宅したのです。
それから1か月過ぎたころ、実家に帰ると父親の遺品は、ほとんどがそのままです。
母親になぜ荷物の整理をしなかったのか問い詰めたところ
「お父さんの思い出があるものだから、大事に使ってくれる人を探している」そう言われたそうです。
母親の気持ちは理解できても、遺品をそのままにしておくことはできません。
たった一人で一軒家に暮らす母親が淋しい思いをしないように、何度も実家に帰っては、少しずつ少しずつ遺品の整理をしたそうです。
本当に残したいものだけを選ぶまでに、一年近くかかりました.
この間、何度も親子喧嘩をし母親が突然泣き出すなど、かなり大変だったそうです。
子供のことを考えて、親なら遺品整理にかかるお金と時間も考えておく
遺品整理をする時、お金と時間はかなりかかるものです。
まとまった時間を使って、遺品の整理やごみ出しなど残された家族がしないといけません。
業者に依頼すれば、部屋の大きさや荷物の量などにもよりますが10万円以上、持ち物が多い場合50万円以上かかってしまった人もいます。
また、自宅であればゆっくりと遺品整理も可能でしょうが、 賃貸で一人暮らしの親ですと、家賃も払い続けなければいけませんので、時間をかけるわけにはいきません。
残された家族に迷惑をかけたくないのであれば、年を取るたびに持ち物は減らしていかないといけませんね。
引越しがきっかけで親の荷物の多さを知る
我が家は、毎年春になると荷物の整理をします。
荷物整理のきっかけになったのは、私と同居するために母が一人で暮らす借家を引き払った時です。
安いものがあれば買いだめをし、何年も着ていない服も「まだ着れる」「いつかは着る」といっては大事にし、誰かが泊まりに来るからと布団も沢山ありました。
でも、同居する私の家で母が使える部屋は6畳一室だけです。
全ての荷物を運んだら眠る場所がありません。
60歳で体力のある母、
当時はゴミは燃えるごみと不燃だけに分けるだけでしたので、ゴミ出しもそんなに大変ではありませんでした。
タンス類は大家さんが「そのままでいいよ」と言ってくれたおかげで、処分の手間はありませんでした。
それでも、かなりの荷物を処分し、引っ越しが済んだのです。
それから数年後、私の離婚問題のため、また引っ越しをしたのですが、母の部屋から再びいらないものが出てきたのです。
親子で始める終活は、お互いに体力と判断力がある年齢から始めておく
我が家のように引越しを繰り返すと、どうしても荷物の整理をしないといけません。
そうでない限り、自分が意識しないと持ち物はドンドンと増えるばかりです。
そして、年を重ねるたびに思い出に執着もしだします。
体力も無くなってきます。
遺品整理に子供が困らないようにするためには、70歳過ぎてから荷物の整理をしだすのは遅い気がするのです。
年を取ると、今いる!いらない!をなかなか判断できなくなります。
荷物の仕分けや整理には体力も必要です。
親の心を傷つけないためには、できるだけ若いうちから一緒に少しずつ荷物の整理を進めていくのが一番です。
終活は時間をかけてゆっくりするのがコツです
毎年、少しずつ持ち物の量を減らしている我が家でさえも、時々母にこう言われます。
「もう使わないでしょって言うから思い切って捨てたけど、あれ、もう少し取っておけばよかった」
一緒に暮らし、定期的に荷物の整理をする我が家でも時々ちくりと言うのです。
今まで親の持ち物の整理に関心がなかった子供が、急に生前整理を親に頼み、つぎつぎと
「これ使わないでしょ!」「いらないものはさっさと捨てて!」なんて言われてしまっては、親の心が傷つく可能性があります。
普段から親の思い出と向き合いながら、少しずつ荷物を整理することを進めていかないといけませんね