一人暮らしをしている息子から、久しぶりにメールではなく電話がきました。
「味噌汁が上手く作れん」
男の一人暮らしも数年が過ぎ、いろいろな料理にチャレンジしてるようですが、どうも何回お味噌汁作っても、家の味にならないと母親に電話してきたのです。
今まで味噌汁の我が家のコツなんてもの、考えて作ったことがありませんでした。
ただ八丁味噌で作るお味噌汁は、少し他のお味噌の扱い方とは違うようです。
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濃い赤だし味噌汁を愛知県民は毎日飲んでいるのか
愛知県の名産品の色の濃い八丁味噌。
愛知県に住んでる人は、八丁味噌を使って毎日お味噌汁を作っているかと言えば、そうではありません。
愛知県岡崎市にあるカクキュー八丁味噌さんで工場見学をすると、八丁味噌だけを使ったお味噌汁と、米麹味噌をブレンドしたお味噌汁の試飲があります。
私みたいに愛知県で生まれ育った人間は、子供のころから八丁味噌を飲みなれているので、
「どちらも美味しいわね」となるのですが、
飲みなれない方ですと、独特な苦み?というか角のたった味噌の味が苦手なようです。
スーパーでも八丁味噌は購入できますけど、純粋な固めの八丁味噌を購入される人は地元の人間でも少ないのです。
米こうじ味噌と八丁味噌をブレンドした赤だし味噌を購入して、お味噌汁や調味料として使ってるご家庭の方が多いはずです。
煮込んでこそ味に深みがでる豆味噌
実際、我が家でも毎日のお味噌汁は赤だし、煮込み料理には八丁味噌と使い分けています。
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豆味噌は米味噌と違って、煮込めば煮込むほど美味しくなる特性をもっているので、
「味噌汁は煮立てるな」
といった、お味噌汁を作るときの注意事項が当てはまりません。
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八丁味噌・赤だし・赤味噌・知ってるようで知らない違い
赤だしは赤味噌にだしが入ってるものとわかっていても、八丁味噌と赤味噌の違いは分かりにくいでしょう。
赤味噌は赤い色の味噌すべてを表す言葉で、東北の味噌・愛知の八丁味噌もすべて赤味噌なのです。
熟成期間が長いため、お味噌の色が濃くなり赤くなるため「赤味噌」と言われてるのです。
それでは、なぜ愛知県の赤味噌をが八丁味噌となったのか?
それは岡崎城から西へ八丁離れた味噌蔵で作られた赤味噌だからなのです。
ですから、八丁味噌と言えば、愛知県岡崎市八帖町で作られた赤味噌が正しい八丁味噌なんです。
地元の味が懐かしいのなら「だし」はしっかりとる!
八丁味噌に白みそやなどをご自宅でブレンドされ、味噌汁にされる時は、昆布だしや鰹節のだし汁を普通に作っていただければ問題ないのです。
ただ八丁味噌だけで味噌汁を作るときには、優しいお出しの香りでは豆味噌が完全に勝ってしまい角が立った味になってしまいます。
鰹節のお出しなら少し濃いめが良いでしょうが、我が家は八丁味噌には「煮干しだし」と決めています。
しっかりとした煮干しのだし汁は、濃い八丁味噌によく合うのです。
子供のころは煮干しの腹と頭を取ったものを、前日の夜からお鍋に水を張って準備してました。
でも、私が主婦になってからは、にぼしの粉末をお出しに使っています。
煮干しのしっかりとしただし汁と、八丁味噌のお味噌汁が我が家の味なんです。
「だしはこれ」を使いだしたきっかけは、子供に沢山魚を食べてほしかったのが始まりです。
お好み焼きをするときも生地にたっぷり入れて作っています。
息子がなぜ母の味につまづいたか
息子に八丁味噌を送ったところ、自分で味噌汁を作ってみる気になったようです。
しかし何度作っても懐かしい味にならなかったのは顆粒の和風だしを使っていたからでした。
八丁味噌は他のお味噌に比べると塩分濃度は見た目よりも高くはありません。
しかし市販の顆粒だしは意外と塩分がありますから、妙にしょっぱくって風味のない味噌汁が出来上がってしまったようです。
超~簡単!美味しい赤だしの味噌汁の作り方
もしもお出しを取るのが面倒なら、シジミやあさりのお味噌汁が簡単なんですよ!
お鍋に水、アサリ・シジミなどの貝類を入れ、赤みそを溶かし入れ火にかける
貝が数粒口を開けたら小口切りしたネギを入れ、鍋の蓋をして余熱で貝の口が開くのを待つだけで美味しい味噌汁の出来上がり!
息子が大好きだったアサリの味噌汁が、じつは手間もかからず簡単に作れることをしっかりと息子に伝えました。
一緒に暮らしていた時には、お味噌汁なんて「毎日いらん!」と言っていたのに、こんなに赤味噌のお味噌汁作りに必死になるとは、
やっぱり息子も赤味噌文化でしっかり育った愛知県民だということです