暮らし

仏壇あり位牌なし写真あり。これでも供養はできてます。

我が家は母と同居を始めたときに、実家のそこそこ大きな仏壇は処分をしてしまったので仏壇がない家となりました。

でも、お墓参りも気軽に行けない土地に引っ越してきた高齢の母にとって、仏壇がない生活はとても寂しかったようでして、とりあえず食器棚の上における小さな仏壇を購入しました。

でも、この仏壇にはお位牌はありません。

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お位牌がない仏壇

母が実家の仏壇を処理する際、仏壇にあった位牌はお寺さんにお願いして処分し、引っ越しの時に持ってきたのは、小さな祖父母の写真だけ

数年間はその写真をフォトフレームに入れ漆塗りのトレーの上で飾り、蠟燭と線香に火をつけ、お茶の時間にはお茶菓子と一緒に小さなカップにコーヒーを淹れて手を合わせていました。

でも、仏様の家がないのはつらかったようで「小さい仏壇でいいからほしい」と言い出した母

そんな母の考えに対して、「仏壇なくても今のままで十分じゃない」と言ってしまったのです。

仏様にも家はあったほうがいいという考え

この私の考えに母が「情けない・・・」とつぶやきました。

母としては、「お位牌がないことで魂が戻る場所がなくなるっていうけど、家族が思っていればそっと帰ってきてくれることもあるはず。なのに、家がないなんて可哀そうじゃないか」

ということでして、まぁ年老いた母の気が済むのならと小さな仏壇を購入することになったわけです。

お位牌って本当に必要なの?

お位牌は故人の魂が帰る場所とし、仏教の教えでは必要とされています。

遊びに来た知人に、お位牌がない仏壇はただの箱と言われてしまったこともあります。

浄土真宗ではお位牌は必要ないそうですが、我が家は曹洞宗

本来ならお位牌がないのは考えられないことです。

でも、ここで飛び出した母の意見は「あの世にいっても、屋根付きの家があれば嬉しくなって、時々でも帰ってきてくれるはず」

結局のところ、この世に生きているものが納得できれば仏壇だけでも問題はないのかもしれません。

仏壇の中に写真を入れてもいいものなのか?

仏壇が届き仏花を生けると、母はうきうきとフォトフレームに入った写真を仏壇のなかにいれました。

えっ、写真は仏壇の外に置くもんじゃないの?

と疑問にも思いましたが、仏壇の中に入れた写真に嬉しそうに手を合わせる母を見たら、なにも言えなくなってしまって、写真を祀ったまま20年経ってしまいました。

仏壇は浄土の世界を表すものだから生前の姿を表すものを置いてはいけないと考えられていますが、最近では我が家のように写真を入れるご家庭もあるみたいです。

昔のように立派な仏壇を置ける家庭も少なくなり、小さな仏壇ではおけるスペースも限られてくるので、仏壇のなかに写真を飾っても問題はないだろうと最近では思っています。

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まとめ

きちんと供養をされている方からすれば、ご本尊様もいない・お位牌もない仏壇はただの箱でしかないかもしれません。

でも、どんな形であろうとも、あの世に逝ってしまったしまった家族が手を合わせることで心の中でずっと生き続けてくれるのであれば、それも供養の一つだと私は思います。

さて、我が家の仏壇はいまどうなったかですが、老人ホームにいる母に「仏壇、持ってこようか?」と聞いたら、「もういらない」「いつお迎えが来るかわからないから、処分していいよ」と言われてしまいました。

でも、仏様の家にこだわっていた母があの世に旅立つまでは、どうしても処分することができません。

ただ故人の写真を飾っただけの仏壇ですが、それでも時々は帰ってきてくれると信じている母のために、もうしばらくはリビングで手を合わせる日が続きそうです。